蛇の詩/秋葉竹
これ、タイトルだけで引かれるうただよね。
そして内容も、引かれるうただよね。
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「蛇の詩」
吐き棄てたくて
こらえた心臓に
乾いた蛇が
巻きつく
受け入れたくなくて
忘れた裏切りを
梅雨の暗渠に
流し去る
機械仕掛けの鴉から
壊れた耳障りな機械音が
風に乗って
流れる
ギィコ、ギィコ
この街には
許さなければならない慰めが
ため息の数だけ白月に照らされているのを
心臓は知っているから
とても酷い罰も
覚悟して
なにも知らない勁いひとたちに
この柔らかい真実を
告げないでいる
記憶を消し去った
震える心臓に
苛ついた乾いた蛇が
二度と許されない未来を
きっと守るために
舌舐めずりしながら
ミシミシ、
と
巻きつく
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