Egg Shell(脆いが硬い)/ホロウ・シカエルボク
 

脳髄に寄生して根を張った狂気が頭蓋を穿孔しようとしていた、俺はいつだって自分のことを確かめようとしていたが、確信に至るフィードバックはどこを叩いても得ることが出来ず、諦観の中でただ成り行きを見届けようと考えていた、重要な回路はすでに占拠されていたのかもしれない、アクセスのすべてが捻じ曲げられたみたいにままならなかった、高い均一な金属音が絶え間なく鳴り続けていて、それは人間が次第に炭化していくさまを想像させた、真夜中だった、真夜中のはずだった、いつだってそれが始まるのは真夜中だった、いまがそうでないはずがない、天井の電灯がどうなっているかすら思い出せなかった、まだ消していなかったような気がするけ
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