肉体ポリスと精神のポリス/英田
 

ただなすがままに僕ヲ帰せ
?.ポゼッション加速
桃園病院脱走したい
当園病院日ノ本の
富士赤くなる夕暮れ
すぐ赫くなる君ノ浮遊霊
ただ日が沈む故に
だが君に染む夕暮れ
顔出す月夜
突き出す君を
その手はそれではさようなら
?.ポゼッション減速
きっと何かが起きていたはず
誰もが知らぬ存ぜぬ突きとおし
大人が口利くは病院ばかり
本当のことが知りたいだけ
ただそれだけの願いも聞かれずに
只今は牢に繋がれた君の体
行くも戻るもありません
ただ停止したトコロから
鉄格子の向こうを流れる群青に
貴様は誰だと吠え立てる
既知からキチに変わった瞬間の
君の横顔
[次のページ]
戻る   Point(1)