キキコ/
英田
かいな。そう言うてる間に、車のドアが開き閉まる音がして、エンジン音と車が動く音が表からした。僕は履き慣れない靴で走るのは、不利やと思って、脱ぎ捨てて、靴下で走った。
「ほんま、年末なのにゆっくりさせてくれへんなあ。樹希待っとってや。お父ちゃんすぐに帰ってくるから、一緒に年越して、来年は、三人で幸せになろうな」
僕は、そんなことよう言えんかったけど、その代りに思いっきり走って、電気屋の車を追いかけて止めてやった。
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