臨終のメモ/
由比良 倖
ければ、
惑星は、憂鬱に凸凹してて、境界線はなくて、
予算内に収まるような、図面で指図されて、
僕に与えられる範囲の朝、部屋で、
僕の臨終を、悩みを、電波のように乾いた一生を、名前を、
いつまでも僕は指先で書き続けて、終わりのない単語の化石の、
その物語を、夜の四角い明度へ、理性の先へ、
ディスプレイのずっと先へと、送信し続けている、
臨終から産まれたワードたちを、再び空へと送り返すために。
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