臨終のメモ/由比良 倖
 
いき、海は鳴り、光は揺れて、

(セリナズナ、トカゲとカレイ、ミステイクン、メモリ、鈴鳴る時の城、銀色の輪っか、ペンダント、時計、チャイム、成功、霊気、大気、ピアノ、G6、カードゲームを宇宙で規格化するとき、表に描かれた発火するホログラム、太陽ビルの紋章、屋上、水槽、擦りガラス、浄化槽の中にも魚、プランクトンの来世の、それぞれの宇宙、その理由、記憶の下方、街を歩く夢の、正装者たち、砂を撒く、太陽から、虹の方へ)、

唯一期待するのは、僕が産まれる以前、全ての部屋を奪われた神さま、
午前3時の餓えに、みな作文をしている、時を刻む鋭角が、とうに失われてしまったこと、想像は丸く、妄想には取っ手
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