寂しいから寂しいと云ってなにが悪いんだ/秋葉竹
 
の言葉なんだと
それ以外の意味なんてなにひとつ
ありはしないんだと

いまならきっと

サバンナを走るキリンの首が揺れるのを
ずっと夜の夢にみつづけて来た
こんな国で生き永らえながら
海の香りに包まれたこの町で
潮鳴りを子守唄に聴きながら

いまならきっと

そうそう
私の中ではめちゃくちゃとんだ凄いことに
そんな生放送っぽいことになってしまって
あなたにほんとうの心を届けたくて
いまだかつて
口ずさんだこともない歌を
朗々と歌い出そうとしている

のはほんとうなんだがな
それでもきっとあなたには届かないから
だから夜の夢にキリンが走るのかもしれない

ねぇ
キリンはひとりっきりなんだろうか
それともふたり並んで声を掛けあって
走りつづけているのだろうか
まぁそれも夜の夢の中の
ちょっとしあわせなはなしなんだけどね

なにを云っても
なにを歌っても
あなたの心に
私の言葉を届けるのに
邪魔をしているのは
わたしじしんのわたしじしんによる
よるべない絶望的な寂しさなんだろうか







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