乳と蜜は流るるか/白身カワウソ
 
あぁ彼らは赤子を殺した、
彼らは逃げた、
何も知らずに彼らは逃げた、
振り返ってはいけないのだ、
塩の柱とならぬよう、

河を越え踊りうたい、
山を仰ぎ見て争った、
暗雲立ち込め雷鳴が轟き、
石が転がり金の仔牛は砕ける、
雲が先を行き火柱が立つ、

飢えてもマナは降らず、
渇いても水湧かず、
苛まれては地が割れる、

ツァウ ラ ツァウ、
ツァウ ラ ツァウ、
カウ ラ カウ、
カウ ラ カウ、

混じり膨れて混沌となった、
逃げた訳はわからなくなった、
彼らは己を忘れ天幕を捨てた箱を失くした、

やがて我と汝は彼我となるも、
彼らは未だに躊躇っているのだろう、

マゴグは何処へかゴグは何処から、
彼らは知らぬ、
我らは何処へ行くのだろうか、


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