愛をこめて花束をまっすぐに/秋葉竹
言葉というのは
光の反射のよう
どこでどう曲折するのか
鏡に聴いてもわからない
みんなひとりで大きくなったような顔をして
まるで迷子の心細さなど
味わったことも無い顔をして日々を過ごす
いつか母になったとき
むかし云った激しい言葉に
刺し殺されそうになるんだろうな
ナンデ産ンダノヨ?
産んで欲しい、ナンテ
ワタシハタノンデナイッ!
あのときには
むかしいだいていた母への
花束のような愛情は
どこに置き忘れて
しまっていたのだったっけ?
そういえばあのとき沈み込んだ
胸の難破船の秘密の船底に
ずいぶんと傷んだマリア像が
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