LESSON 1(改稿版)/涙(ルイ)
 
って
そこだけが唯一の居場所だった




詩の中では何でも云えたし
詩はいつでも あたしの話をちゃんと聞いてくれた




産まれ堕ちた瞬間から ずっとひとりだった
誰もあたしを見てくれる人間はいなかった
ごはんが口の中にあってしゃべれないのに
返事をしないと云っては殴られた
母親は自分だけさっさと安全な場所に逃げて
だから 子どもがどんなひどい目に遭ってても
仕方がない 我慢しろ というばっかり




よく子どもの頃にひどい目に遭ったとしても
大人になれば なんとかして苦悩から乗り越えて
強く生きていけると そう思い込んでいるひとがいるが

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