モヒート/リリー
 
たった一杯のカクテルに託した夢物語
月の流れのように見えたのは
私が酔っていたから
あなた自身の美しさを知らないあなたの
金糸雀の様な笑い声を
頭上高くに聞く
そのシルフの影に、歓びの生命あり
張りたる瞳を想う
希望と理想の円の中に
知らず知らず包みこまれて
また 夏はめぐり来る
痛む額に
冷たい掌をそえて
瞳だけで微笑みかけてくれる人がほしい
風の夜
よろめき歩む足許の危うい時
そっと背を支えてくれる人がほしい
そんな儚い影の様な男性を信じている事がある。

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