シミ抜きお願いできますか(改稿版)/涙(ルイ)
 
なんだと
そういえばどこかの誰かがそんなこと云ってたっけ
生きることを漂白したら きっとただ白々しさだけが残るだけかもしれない
なんて 考えてみたらちょっと気持ち悪い




悲しみなんて本当は知りたくなんかないんだけれど
それが生きていくことだというのならば
どうしたって見たくないものも見なければならないし
聞きたくないことだって ちゃんと聞かなきゃダメなときがある




たかだか1度や2度の失敗で人生終わりみたいな顔して
寝ぼすけさん その顔鏡にうつしてよくよく見てごらんなさいな
ものすんごい マのヌケた顔してるから
それはそれで笑えないわけでもないけど
ほらほら 冷たい水でさっぱりと洗ってきたらいい
気持ちも少しはシャキッとなるから






まだ夏まえだというのに 照りつけるように陽射しがふりそそぐ
6月の青空になびくまっさらな白いシャツ
ありふれたいつもの光景が
光に乱反射して
そいつがあたしには
ひどくまぶしく見えて







思わず 思わず
目を細めたのです




戻る   Point(1)