初めから舗装道など選んで歩くような人間じゃないんだ/ホロウ・シカエルボク
 
のだ、社会人は義務教育によって量産され続けた、どれだけ潰れてもまだ代わりはいくらでも居た、人間は使い捨てのコマだった―誰か異論ある?ここに染まってはいけない、それははっきりしていた、時と場合によって自分を閉じることを覚えた、自由な世代に浮かれる連中を冷めた目で見つめているだけだった、自分自身という呪縛からは逃れることが出来なかった、けれど、そんな鬱屈とした時代を過ごしておいて本当に良かったと思う、好き放題やって欲望を食らい尽くした連中が、時代や年齢に負けて醜く諦めて浮腫んでいく姿を見るにつけ…誰かと、或いは大勢の共、同僚たちと価値観を共有することで自分が出来上がっていると誤認するやつら、そんなやつ
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