※五行歌 六首「零の産声」/こしごえ
 
欲が出て限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる



不安がわいて限が無いが
放てば
満ちる
と思い
自分をなぐさめる



限が無いことばかりだが
放てば
満ちる
と思い
今の自分に満足をする



終りはあると
分かっているから
生きていける私
限が無いことにも
終りを決めて



終りを
繰り返す
零の産声
しみじみと
蜩の歌

 ※ 蜩=ひぐらし



時は
止まった
永遠の
夏が
今年も来た
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