十四時/
はるな
十四時をすぎて、
雨が上がった午後には
きっとわたしでもどこかへ行けると思ったし
もう少女でもなかったし
切符を買うこともできると思った
長い階段を降ってから昇って
手のひらの水を飲み干しても
きっとどこかへ行けると思った
京浜東北線、端の車両にすわったら
西陽が反射して、反射して、
反射して、
それでもうどこへも行けないと思った
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