Ommadawn。/田中宏輔
てくれる重要なきっかけになるとは、まったく思いもしなかったのだ、と。
詩人は、友人の言葉を切り刻んで、それを繋げていったときに、どういったことが、自分のこころのなかで起こっていたのか、また、そのあと、自分のこころがどういった状態になったのか、後日、つぎのように分析していた。
わたしのなかで、さまざまなものたちが目を覚ます。知っているものもいれば、知らないものもいる。知らないもののなかには、その言葉によって、はじめて目を覚ましたものもいる。それらのものたちと、目と目が合う。瞳に目を凝らす。それも一瞬の間だ。順々に。すると、知っていると思っていたものたちの瞳のなかに、よく知らなかったわたし
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