Ommadawn。/田中宏輔
ア『女王天使』下・第二部・54、酒井昭伸訳)
もちろん、詩人がつくった世界は、といっても、これは作品世界のことであるが、しかも、詩人がそこで表現し得ていると思い込んでいるものと、読者がそこに見出すであろうものとはけっして同じものではないのだが、詩人の友人が現実の世界で体験したこととは、あるいは、詩人の友人が自分の記憶を手繰り寄せて、自分が体験したことを思い起こしたと思い込んでいるものとは、決定的に異なるものであるが、そのようなことはまた、詩人のつくった世界が現実にあったことを、どれぐらいきちんと反映しているのか、といったこととともに、詩というものとは、まったく関係のないことであろう。求
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)