夢のあとさき/秋葉竹
 


(短歌十一首)



いつの日か
あの青空をペンギンが
飛べる夢さえもぎ取られてた


底のない
悲しみみたいな雨が降る
夜に力に屈したやすらぎ


公園で
行列できるブランコを
こいだらゆけそう至福の一瞬


夕闇の
異国の神が壊されし
廃墟にころがる薬莢があり


かたくなな
覚悟のすべてを投げ棄てて
流れるように生きてゆきたい


唇の
色をけなげに変えるため
ちょい明るめのリップを塗る君


白昼に
灼けるみたいに痛む胸
笑顔を作り山茶花を切る


晴れ渡る
彼方の山脈までつづく
空を四角い窓からみて
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