miscellaneous valves(その他のバルブ)/ホロウ・シカエルボク
るんだね、お前の宝はガラクタだって気づけるかもしれないぜ、もうすぐ雨が降るってスマートフォンがお節介をする、この間までラブホテルが建っていた空地を通り過ぎると、太めのブロンドの外人女が道を探していた、近頃は海外の観光客が増えた、どうやらホテルを探しているらしい、彼らは決して母国語以外喋ろうとはしない、ラッキーなことにそれはすぐ近くにあるホテルだった、アリガトウゴザイマス、と、よくある感じで微笑んで彼女は去って行った、俺は黙ってバイバイと手を振った、国によっては日本の動作と意味が真逆になるってどこかに書いてあったな、ふたたび歩き出してからそんなことを思い出した、すべてをちょうどいい瞬間に思い出すこと
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