miscellaneous valves(その他のバルブ)/ホロウ・シカエルボク
 
そんな自論を展開している、世間という松葉杖に頼らなければ一歩も歩けない連中の戯言さ、ソファーに座って詩集ばかりを選んで読む、死臭と同じ響きなのは決して偶然なんかじゃないはずさ、詩情の本質は遺書におけるそれと大差ないって、自分で書いてる連中の中にはそう思ってるやつも少なくない、そうでなければ俺に仲間など居るはずがないのだ、仮に俺がこの詩を最後に居なくなってしまっても、誰かが俺のことを覚えているはずさ、まあ、当分そんなことはないだろうと思うけどね、目が疲れると外に出掛ける、街は録画データをスキップし続けているみたいに忙しない、すれ違う人間のアラを探しているような目つきの奴ら、その目を自分に向けてみるん
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