夏なのですって/秋葉竹
 
る悲痛な叫びの渦巻き銀河が
生きていたいマテリアルを空虚に堕とす

のですって?

いっせーのー、で
宙を
跳ぼうとするいつぽんの闇の道で鳴く
種の繁栄を告げる歌声としての黎明の虫たち
全てを撫で斬る大鎌を持った無垢なる死神の
外套の内にて夏の朝を走り抜ける
極彩色の始発電車の振動を波のように感じる
それゆえにか沸き起こるバンザイ、私たちは
生きさせてもらっているのですね

ではここで
聴こえにくい未来にための戯言をひとつ
熱中症を防ぐのには
ひたすら充電のためみたいに
透明な罪さえ持たない無謬な水を
上を向いて飲むのが良い
訳ではなくて
悲しい涙の紡ぎ出す
塩分の補給もしなくてはならないの
ですって








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