中天の夢/秋葉竹
愚かしさを
自慢しても
べつに悪くはないけれど
ほんとうのところ
ああすればきっと
もっと早く君のところれ帰ってゆける
悲しみなんて
ちからいっぱい
振り払って
さ
そんなところよりも
もっとほんとうのところ
ああすればきっと
もっと早く君のところへ帰ってゆける
だなんて
夢見のような愚かしくもふわふわとした
悲しみだけは
まとわりついて来る執拗に
どれだけうっとおしくても
この胸に染み込む悲しみの糸だけは
振り払えなくても
さ
中天に
星が視えるという夢を
嘘噛み締めて 信じてしまう
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