闇の道を照らせない灯火/秋葉竹
許されないはぐれものが
めぐり逢った輪のなかで
忘れられない約束をした
長いときを経てすこしも
信じられなかったという
悲しみで結びあう旧世界
やつれ果てた希望の笑顔
消し去りたい愛の憎しみ
傷つけあった滅寂の部屋
流れてゆく時だけが寒く
汚れてゆく瞳だけが眠る
夢をみられない深淵の棘
かつて彷徨った神聖な塔
はぐれて泣くはぐれもの
その明るい朝は凍てつき
目に映る螺旋の彼方の罪
寂しさの数だけ笑う空蝉
みえない絶望を齧り切り
立つは自我を震わせ石を
穿つ清流となる誓いさえ
決別し過ぎゆく永久伽藍
圏外に生きる意味を知り
いづこをも直視する闇の
流れ込む深淵に嵌り込む
許されないはぐれものが
すべての歌声を淘汰する
夢は許さない約束の果て
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