なるほどクン/アラガイs
「あ〜痛い〜、なるほどなるほどなるほど…」彼は鼻血を垂らしながら涙声で呟いた。
その声があまりにも奇妙なので僕と田中がすぐに止めに入った。 「おい、もう止めとけ…」
「あの… あのですね…」 驚いたことか、なるほどクンがはじめて何かを説明しようとしているらしい。
「実は…実は、なるほど、という言葉の裏にはですね……実はよくわからない、という意味がこめられているんですよ。 だから…だからですよ、わかったふりをしているんです。 それから…使い分けも…」 何?使い分けをしてるのかこいつ。
「本当にわからないとき…また目上の人に際しての、負けない相
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