たそがれのもり/あらい
のどこかに刺さったままで、とても大事なコトを示している気がしてしょうがない。
多分、なんてこともない出来事の中で、不意に思い出しそのうち形ないものを今に具現化してここまで連れてきてしまったのだと、収めるべきものが現実に見つけられないままこうして、ふと脳裏によぎるばかりで――
ミニチュアの天球儀の中は
すきとおる波打ち際を思わせた
まぶたのおくで煌めく過去や未来に心はそぞろに歩き始めた、おぼつかないからだで、まだ自身を見いだせないまま、砂漠のような歌を、喉から絞り出したけれど、うまく言葉にできたかどうかは分からなかった。
静寂というより、空虚といったほうがよく似合う、古く軋んだ揺り椅子に腰掛けて夢を見ていた、たぶんそんな?薄明と、無影灯?といったところだろうが。
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