雨と散歩/番田
消してみたところで、ネットを見ても、それが感じられるというわけでもないのだけれど。ただ自分以外の人が、テレビをどう思っているのかはわからなかった。外国に行ったところで、たぶん、テレビの内容は何も変わらない。僕自身だけがそこにいるだけだ。それに関する評論を振りかざしても、裏をとれるわけでもなかった。土産物を買い、帰って来ることだろう。でも、ホテルの備え付けのテレビをつけてみたりするのかもしれない。自転車には、そうではなく、カバーがかけられている。テーブルに差している光。雨の音がだんだん激しくなってきた。だけど、僕は家にいたところで、何を得るというのだろうか。
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