torrential rain/ホロウ・シカエルボク
 
些細なことには違いない、でも、やらないよりはやったほうがいいってこともあるものさ、鍵を取り出して住処に戻る、玄関の姿見にずぶ濡れの俺が映っている、楽し気ににやにや笑っている、お前、馬鹿だな、とそいつは言う、ああ、と俺は答え、その場で服を脱ぎ、シャワーに飛び込む、シャドウ・オブ・ユア・スマイルなんか口ずさみながら身体を洗ってしまうと、一日のほとんどが終わってしまった気分になった、まだ、午後の早い時間だというのに…馬鹿だとか馬鹿じゃないとか、そんなことじゃないのさ、いつだって大事なことは、そこからどこへ行くのかということそれだけなんだ。


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