眩/ただのみきや
 

また迫り 退いて

ゆるめた絃に
ふと夜のよう
烏揚羽
瞬く間
緑の眼窟くぐりぬけ
逃げる 詩歌は 追うように


わたし
   墓
    死んだ
 わたし   鯨     
      雉 
     
     舌の上 
         蛍
      わたし
 藁人形
   わたし      
       釘 釘
     
     赤錆びた
   想い
     願い  
       煮立てられ 歌
              頬を噛む
            歌
       水のよう
   結び
     解け
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