10年前のヒドラ/水町綜助
 
 

頭がいくつもあるように、想像と解決が繰り返され、
想定していなかった彼が、かつて話したことまで木霊して
意味することを識る

一本で線、
ひとり想いを伝えること

二本で辺、
対話すること

三本で三角形を成し、
人は初めて面をなす

三角形、たとえばテトラポッドは、いくつもの水を波として砕き

三面からなるヒドラは、面となり、いつしか自らの悩みをほぐす

そこからはただただイメージの広がり

結果として、

印字するようにシャツにいくつもの染みをつくり

無数の染みを作るように何枚も何枚も刷り続けられる

空にばら撒かれ続ける、ある日の
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