少年の惑星/オロチねこ
あのとき僕は
自分だけの惑星を手にした
空間は膨張しつづけ収縮せず
無限の意味は言葉通りだった
あのとき僕は
友と遊び 多くを語った
未来や夢 他には パネルラ テケリリ……
覚えないほど取り留めのないことだったが
恋をして 多くを知った
初めて聴く唄 人肌の温かさ
そして胸にしまい続けた純粋な不純
その末路は 知りようもなかったが
あのとき僕は
ひかり輝く未来を見た
決して枯れない生命を見た
あのとき僕は
何も手にしなかったが全てがあった
あのとき僕は
有限の無限を暇と呼んだ
あのとき……
あのときの延長線に立ち
空間が収縮をはじめ
無限が死にゆくのを見て
限りがあることを知った
だが 惑星はいつまでも共にあり続ける
少年は今でもそこに在る
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