夏服の少女/花形新次
夏の制服少女は鞄の中に
教科書と
現代アメリカ最高の自称詩人
エディ・ゴールドシュタインの
詩集「男性自身」の原書を入れ
京急線追浜駅のホームで
品川行きの電車を待つ
「男性自身」に収められた自称詩8000編の中でも
少女のお気に入りは
割礼してるからポコチンの皮びよ〜ンって
ならないの で始まる自称詩
「割礼と聞くとカツレツを思い出す」だ
割礼ってとても痛そうだけれど
ニルヴァーナの赤ちゃんみたいに
赤ちゃんでズル剥けポコチン
っていうのも可愛くて良いなあ
そんなことを考えながら
少女は下半身をモゾモゾさせ
快速特急が来たら
今度こそ飛び込んでみせると
考えている
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