詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
 
の、真っ青な空の下にさらけ出した裸体の、眩しすぎるのはあまりにも堂々としているからだ。でもそれは、女たちがひかりと海とかわいた砂にまみれてあそぶための、正装した裸体なのだと気付けば、わたしだって受け入れることができるが、この歳になると近づきがたい裸体であることはたしかだった。
 とはいっても、見えるものは拒めないしここはわたしの職場だという、風呂屋の番台みたいな大義名分があって、火バサミと黄色いゴミ袋さえ手にすれば、なんとなく若者たちの隙間に溶け込むことができる気がした。多少の理不尽はあってもだ。

 ひとが塵みるというのは、老いるということではない。
 呑み干して空になったペットボトルに
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