詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
 
っぺんから二段目あたりで
すずしい顔をして
たったひとつでいい
やわらかい猫の手のとどく夢を見ていたい
まるい顔をした牡猫のようなわたしが
いつもの食卓に頬杖ついて
あつい紅茶をすすりながら
朝のパイプを咥えていたとしても
妻さえ気づかないはず
それでいいとおもった

目覚めた午後は、ほどよく冷えた西瓜をたべる
汗にまみれたTシャツも、ブリーフも
脱ぎすてて
居間の椅子に腰かけて
まあたらしいタオルを日やけしたほそい首にかけて
肋骨の浮きでたうすい胸を隠し
すこしでてきた下腹の
ちじれた陰毛の影に
だらしなくぶらさがった部品の位置を気にしながら
張りのないお
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