詩小説『雨の日の猫は眠りたい』その2。/たま
係について語ってみたいとおもうが、そのころのわたしはすでに塵みかけていて、分別されることを拒むために、いいわけめいたうつろな詩ばかり書いていた気がする。いまこれを読み返してみても、やっぱし、いいわけにすぎない詩だとおもうし、すでに年金詩人の護符をしっかり握りしめていたみたいでおもわず恥ずかしくなったりもする。
雨の日の猫は眠りたい
葉月の昼下がりの
どうしようもなくもてあました窓のしたで
たったいま
わたしに与えられたことの
すべてをおもい浮かべてみても
窓は空っぽ
ただ、雨の日の猫のように
四つ足を投げだして眠ることしかできなかった
そうして
いくつもの、浅
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