Sat In Your Lap。I/田中宏輔
するとは、異なる魂が共存する領域を設けること、あるいは、異なる魂との間に共有する領域を設けることである。こういった考え方が、わたしにはぴったりとくるものなのだが、そうではない人もいるかもしれない。そのような人には、いったい、どのように説明すればよいだろう。
そうだ。リルケが、『ほとんどすべてのものが……』のなかに、
すべての存在をつらぬいてただひとつの(ヽヽヽヽ)空間がひろがっている。
世界内面空間。鳥たちはわたしたちのなかを横ぎって
しずかに飛ぶ。成長を念じてわたしがふと外を見る、
するとわたしの内部に樹が伸び育っている。
(高安国世訳)
と書いているのだが、このな
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