Sat In Your Lap。I/田中宏輔
。自分には、魂などはないと考えている人もいるかもしれない。だが、たとえ、そういった人であっても、自分には「自我」というものなどはないと考えるような人はほとんどいないであろう。したがって、本稿のなかで、「魂の領土」とか「魂が共存する領域」とか「魂を共有する領域」とかいった言葉が不適切であると思われる人には、それを「魂」という言葉に置き換えて読んでもらえばよいだろうし、「魂」といった言葉でさえも適当ではないと思われる人には、それを「自我」といった言葉に置き換えて読んでもらえばよいと思う。
最後に、詩人や作家たちのつぎのような詩句を引用して、本稿を終えることにしよう。
古びてゆく屋根の縁さ
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