Sat In Your Lap。I/田中宏輔
の詩のこのフレーズに目をとめることができなかったことに恥ずかしい思いがした。自分の感受性が劣っているのではないかと思われたのである。もちろん、年齢や経験の違いが、あるいは、読むときの状況とかの違いが、その詩や、そのフレーズに目をとめさせたり、とめさせなかったりするのだから、劣等感を持つ必要などことさらなく、むしろ、いま、ネルーダの詩のこのフレーズに目をとめることができたということに、自分の感受性の変化を感じ取り、それを成長と受けとめ、祝福するべきであるのだろうけれども。
犬は何処へ行くのか?
(ボードレール『善良なる犬』三好達治訳)
ここで、ふと、こんなことを思いついた。犬
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)