波打つ胸へ沈む、船が/パンジーの切先(ハツ)
英子おばさんの胸を破って、無数のレオが現れる、
三等船室でこの上なく楽しくポルカを踊り、
憂鬱の種をめざとく見つけだして、死を迎えるロミオが、
パイロットの制服を着て、離陸の瞬間に肩の高さで両手を伸ばす、
英子おばさんのひだり手の薬指には、長年つけてきた指環のへこみがあり、それをつけてやろうと、
彼女の胸の前で、蝶々結びにされていた両手の指を、わたしが一本ずつほどくたび、新しいレオがあらわれては、病室を歩き始める、
狭い病室を歩くことに倦んだレオ(のうちひとり)は、廊下へ出て、患者たちが食事を食べるテーブルまであるき、そこにずらりと並んだ、
フォ
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