※五行歌 六首「命ひとつ 生きるのみ」/こしごえ
 
大切な悲しみを
傷つけて
悲しくなる。
光る風は
美しいままなのに



見えないのに在る
そよ風は
光り
さびしいこころに
吹いて来る



のっぴきならない
幽霊の私は
繰り返し
光る風に
戦ぐ影



青葉は
光を
欲する
青々と
無邪気に



何はともあれ
ありがたい
存在している
だけでも
私は



どう
思われようとも
私は
命ひとつ
生きるのみ
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