ふざけた世界にさよならを/ホロウ・シカエルボク
 

伸び過ぎた髪を手早く纏めたら
企んでる顔でこちらへおいで
裁きを受ける覚悟なら出来てる
ひとつやふたつの傷なんて些細なことさ

嵐のあとの
老い先短い湖を飛んで遊びながら
朽ち果てた寺院の中で
じめついた約束を交わそう
腹をすかせた鴉たちが集まって来るけれど
死ぬわけじゃないとわかったらすぐに居なくなるからさ

風が木々に残った雨粒を散らして
まるで視覚的な讃美歌のようだ
俺は目論見の昂ぶりも忘れて
そんな光景に心を奪われてしまう
君はそんな俺を見て微笑む
いろいろなものを胸の内に秘めているから
純粋であることの大切さがわかるのさ
ひとやすみしたらまた歩き
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