引用の詩学。/田中宏輔
 
ルースト『失われた時を求めて』第四篇・ソドムとゴモラ、井上究一郎訳)


ある晩、帰りがけに小石をいっぱい包んだハンケチを、背中にぶつけられました。
(バルザック『谷間の百合』二つの幼児、小西茂也訳)


民衆があなたに石を投げつけてもちっとも不思議はない。
(ペトロニウス『サテュリコン』90、国原吉之助訳)


半分は嘘で、半分はふざけてるんだから
(ロバート・A・ハインライン『地球の脅威』福島正実訳)


おっしゃるとおりです、まったく。
(テネシー・ウィリアムズ『欲望という名の電車』第三場、小田島雄志訳)

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