ニューヨークの景色/番田
物色した、そんな、あの頃のように、僕は今でもミスドの前を通る時はいつも、安いので買おうと思うけれど、並んでいるのであきらめて、通りにいた。ブックオフの前では何も読みたい漫画が浮かばず、看板を顔によって見上げる。
アメリカからの帰り道の飛行機は、長い時間だったが、何をしたのだろうか。窓からは白い雲が見えたのだが、立体的な、地上とは違う世界を作りあげていた。僕の思う雲ではなく、空にいるときに目にした雲の姿が山のようにしてあった。お笑い番組の、いつかみたコントのセットを思い出していると、食べ物や飲み物が、それまでの静寂を打ち破るようにしてやってきた。一つの固形物のようにアルミに包みこまれていた魚や肉を食べた。食べる時に、包みを切り裂いては、飲みのものの蓋を剥がしたりした。そしてそれを食べ終えると、スタッフに手渡したのだった。
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