黒いクビキ*/ひだかたけし
鋭角に切り込む
凝縮の果実
南の戸口より
朝に取り入れ
北の戸口より
漆黒の夜に輝いた
銀河の残滓流し出す
手のひらに残り在る
夜々の夢底割り
現れる界
その確かな感触、
黒い軛として
内面の規範に従い
己の日々に緊張を与え
〉一つ精神の顕現〈
鋭角に切り込む
凝縮の果実として
南の戸口より
朝に取り入れ
北の戸口より
漆黒の底に輝いた
星界の聖餐
己、魂に確と縛る
生皮を貼り付ける如く
己、黒い軛と魂に縛る
*ワシリー・カンディンスキー『黒い軛(弧)』,1912 より引用
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