河口湖/形代 律
 
水を巡るすがたで
雪崩れる岩は
草や花に縁どられている

上の岩は
黒く新しい
あたりの華奢な塔をぜんぶ砕いて
覆い尽くした

かつて
音を奏でる生きものがこの地表を歩み
独特に叫んでいた

人間も
フジやカワグチコと叫んでいた
いまは居なくなり
静か
戻る   Point(1)