バカな愛/秋葉竹
 
ではいかずに
それでもけっして手離せない
手離したくても
手離せない
そんな空気みたいな
必要みたいな
嘘みたいな
ほんとうみたいな
夜みたいな
泣き声みたいな
囁きみたいな
絶叫みたいな

愛というものは
わたしのみのまわりに
しっかりと
ちゃんと
あるし



青空をみあげる瞳だけに

涙は浮かんでもういいとは

わたし個人の

許しで許す

から。


それだけを
まちがわないかぎり
どんな愛も
美しさにゆきつくのだと

どうしてだか
わたしは
生まれつきなのか
経験によってなのか

わかってしまっている

わたしは
わたしの
夜をゆくよ

ダメとかいうなら
それは心外だな

愛を棄てろと云ったって

バカだな、
それはとてもバカな忠告だな?

棄てられるものなんか
愛じゃないんだよ、
ねぇ、
知らなかったかしら
ねぇ、
あなた。









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