walk away/ホロウ・シカエルボク
 


潰れた風俗の店が並ぶ通り
腐った木の臭いが立ち込めてる
欲望の行きつくところ
嘘をつく僕たちの死体

なにも入っていない六階建てのオフィスビルは
裏口から入ることが出来る
管理していた不動産が潰れて
警備していた会社も手を引いた

新しい店が繁華街の終わりで生まれようとしている
街の新陳代謝
あとどれだけこんな光景を目にしながら歩くのだろう
噛んでいたガムは味がなくなった

家に帰りつく直前の橋を渡る時
久しぶりに誰かに手紙を書こうと思った
内容なんて下らない挨拶でいい
川はアメーバのように光を飲み込んでいた
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