釣りの考察/番田
時々釣りをしながら思い出すのは、こうしてロッドを振っていた中学の頃の僕だろうか。テスト期間中はよく、同じようにロッドを持って、友達と出かけていた。近所の川や、沼だったけれど。そして、日が暮れるまで影を落として釣りをして、帰ってきた。それはなかなか大人になってからは体験できないような経験ではあったのだ。ブラックバス自体が、すでに沼や川に生息しなくなったという事実はあるけれど、そのような経験を、また、いつかしてみたいとは思う、でも、あれから彼らとは音沙汰もなく、連絡先も目を閉じても思い出せなかった。手にあるロッドだけが、当時の記憶を残したまま振られていた。でも、ブラックバスはいないのだが、もう、そこに
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)