かかし/
葉多不来
かかしの手に 鳥が一羽
つかもうとも、よけようともせず
ただ風に吹かれるかかし
おお!そうか・・・
おまえも私なのだな
かかしは鳥が止まっていることに興味がない
かかしは鳥に笑いかけない
かかしには感覚がない
かかしは目も見えない
私もまた、そうなのか・・・
遠くで子供の声
あっ! かかしの手から鳥が飛びたった!
私の手に何かが触れた
「お父さん。帰ろうよ」
私はまだ、生きている
戻る
編
削
Point
(3)