かかし/葉多不来
 
かかしの手に 鳥が一羽
つかもうとも、よけようともせず
ただ風に吹かれるかかし

おお!そうか・・・
おまえも私なのだな

かかしは鳥が止まっていることに興味がない
かかしは鳥に笑いかけない
かかしには感覚がない
かかしは目も見えない
私もまた、そうなのか・・・

遠くで子供の声

あっ! かかしの手から鳥が飛びたった!

私の手に何かが触れた
「お父さん。帰ろうよ」

私はまだ、生きている
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