夢と後悔/番田
思わなかった。
今は夜の、弱い風を受けている僕はいた。冷蔵庫には、ずっと食べていないアイスが入っている。勝利を掴み取ろうとするには、焦りすぎたのだと、そのことを思い出して、たたずんでいた。外は雨が降っている。腹をすかせていたので、とても美味しかったが、食べきることは出来なかった。カラオケに行って、何かを歌いたかったが、株は、週末に驚くほど暴落したのだ。テーブルには黒いリモコン。夜道には続いていたいくつもの車の光。
今は、休みの終わりだった。悲しい思いが、そんなふうに、今日も、立ち込めている。でも、損をすることには慣れていたので、悲しくはない。それに欲しいものすらも無くなってしま
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)