石蝶夢/ただのみきや
 


石ひとつ

篝火に

触れたくちびる冷やして鳴った


  *

美しく乱れ

重なり傾れる表象の群れ

うたはことばを忘れ風と番う

天と地の間にかかる

揺れる吊り橋のように

こんな虚空の一点から

とけ出して

遠ざかる

どこまでも意識は空と雲



                 (2024年4月21日)







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